2015年10月22日木曜日

Thing I need to GIVE UP


「北欧であること」
「当店のテイスト」
以上が、もの探しの上でのルール(2番目はざっくばらんですが(^^;)。その縛りにおいて、個人的にとても好きだけど諦めるものが、毎回結構あります。今回はそんな、ちょっと視点を変えたところで。

ヴィンテージのマッチと、販売用のディスプレイ台。
当時はこうやってタバコ屋さんの店頭に並んでいたのでしょう。
時流のパッケージデザインが、色とりどりに整然と並び収まる様に、ぐっときます。


出どころ不明の椅子。作業用、かな。
デンマークの様式を今一つ見とれず…ひょっとしたら、イギリスかオランダから戦前後ぐらいに流れてきたものかもしれません。
武骨なデザイン。背もたれのギミックや朴訥とした切り取り感が何とも言えません。

パチンコ台!しかも弾くタイプのハンドル。
デンマークのかなり田舎の古道具屋さんで、日本でも見かけない懐かしいものとの不思議な出会い。思わずその場でニンマリと。


…あ。これは別に要りません(^-^;) オチ、ということで。

2015年10月21日水曜日

Vintage Hereafter



正直な話、"もの"がありません。

ヴィンテージ品は、そのほとんどが製造から数十年経過しているわけですから、産まれたその日から減っていくのは自然の成り行き。そこへきて北欧人気の安定感もあり(どちらかと言えば日本よりアメリカやイギリスの需要の方が高い)、希望の品を探すことの困難さでヒリヒリしっぱなしであった今回の渡航。クイストゴーの記事でも触れたように、だんだんと個人の所蔵から博物館殿堂入りの方へと向かっている様な雰囲気です。

家具工房についてですが、友人の話によると、ピーク時(1950-70)におけるデンマーク国内の事業所数は、一都市~だいたい日本の市単位で平均70以上もあったそうです。びっくりするような数ですが、デンマーク家具のクオリティにおける内需/輸出を見るに、それだけ国を挙げての重要産業であったことがわかります。
友人の住むオールボーは国内3番目の大きな都市ですが、現在の工房数はゼロ。国内で稼働するものは有名ブランドの数か所のみで、生産者の高齢化もありと、製造の空洞化はどこの国も同じのようです。

・・・
グチっぽくて本当にすいません。とにかく必要なものが無い。5日間/10数件。ユトランド半島の北半分を越えてあちらこちらへ。回って回って…お客様に頼まれていたものは全滅。_| ̄|○
それでも!予期せぬ出会い、新しい出会いで苦労が報われる瞬間はたくさんあり。やっぱり、もの探しは楽しい。

お品の到着は、おそらく年末~年始早々。なるべく早く、皆様にもお目にかけたいところです。

2015年10月19日月曜日

Jens Quistgaard Exhibition @HEARNING MUSEUM



ユトランド半島のなか程にあるHerning美術館で開催されていた「イェンス・クイストゴー展」に行ってまいりました。

アメリカでのDANSK社の設立~デーニッシュデザインの世界的成功など、北欧デザイナーの中において最も重要な人物の1人であるクイストゴー。北欧デザイナー界広しと言えども、テーブルウェアはもとより、ジュエリーから建築に至るまで、これほど多種多彩に手がけた人物は、実は数えるほどしか存在しません。

エントランスに据えられた実物の自作の舟!(写真)を取り囲む様に展示された、DANSKのホーロー製品にチークのペッパーミルコレクション。盟友のために扉の蝶番までデザインしたというカントリーハウスの一部や家具などなど。そして最後には、実家のキッチンの片隅に設営されたという、彼の初めての「工房」が再現されたブースへ。デザイナーというよりはクラフトマン、という言葉がしっくりくる、彼のものづくりへ生命を宿す様を、数多の名作銘器とともに存分に堪能できる、素晴らしい内容でした。



グッズコーナーには、ポストカードフレームや晩年のインタヴューDVDなどと共にReliefシリーズも。(こちらは非売品だった様です) 
焼き物ではやっぱり代表作、なんですね。

そうそう、今回「あらたな事実」として判明したことが。
Reliefの印象的な葉模様は、なんと「茶葉」を表しているのだとか。
まさにティータイムのためにデザインされたというステキな話。
さらに愛情が深まります…

その他、KRONJYDEN社のロゴタイプのデザインを手がけたこと、初期プロトタイプには6色以上の展開が予定されていたなど(ターコイズブルーのReleifなんて!)総合的に関わっていた事が表されておりました。



図録もバッチリ入手して、満足この上なし。
連れて行ってくれた長年来の取引先でもある友人に感謝しつつ。
「良かった?」
「それはもう!」
「今回の展示品、いくつか協力したんだよね。ReleifやCordialの希少色とか」
「・・・えっ!?」

なんでこっちに回してくれな…いやいや。多くの人に楽しんでいただく場にあることも、今となっては儚い、ヴィンテージの正当な役目かもしれません…