2015年11月29日日曜日

Pick Up Anonymous #4


「名も無いひと品」4回目。どんぶりです。
お店を始めてまだ間もない頃、作家ものの器ばかりを取り扱うデンマークのとある美術商の方が
「ボウルの形の佳し悪しは、両手をお碗状に合わせた時にしっくりと馴染むかどうか」
と語って、とても驚いたことがあります。漢字の"碗"または"椀"にも表れているように、まさしく手に添うことが佳い形であるとは、以前に唐津焼の作家さんからもお聞きしたことがあり、まさか国も文化も違うところで、同じ感覚の話に出会うとは思いませんでした。しかし轆轤であれ型であれ、用具が人の身体の延長にある以上は、そこに大差はないのかもしれません。



黒にサーモンピンクとはまた不思議な取り合わせ。搔きとられた斜線の紋様がモダンさを強調しています。高台のすぼみ具合が、一見普段使いの安定に心もとない気もしますが、ものが入るとその重みで重心が整います。肉じゃがなどを盛り付ける中鉢、または雑にかっこむどんぶりとしても楽しい風体です。
裏に銘があるにはあるのですが…こちらも不明です。

2015年11月26日木曜日

Pick Up Anonymous #3


「名も無いひと品」3回目はデンマーク製マグをご紹介。
実は「北欧ビンテージ」の範疇ですと、マグはなかなか見かけないアイテムの一つ。意外と思われるかもしれませんが、カップ&ソーサーに比べると圧倒的に個体が少ない部類です。

"製陶としての"マグの歴史はかなり新しく、一般的に主流になったのは20世紀に入ってから。(ここでは、drinking glass/cup としてその形状を持ったいにしえの話は除きます)
戦前後のアメリカ市場の台頭と共に、日用のカジュアルな指向から、陶磁器のかつてない膨大な需要と生産性により広く流布していった文化産物になります。
しかしながら、デンマークの"hygge"、スウェーデンの"fika"に表されるように、まったりと長いティータイムを優雅に過ごす上で、カップ&ソーサーが主体的に根強いのもうなづける話。ともあれ、容器は時々の演出に合わせるのが楽しいですね。

さて、こちらのマグ。すぼみ具合とぽってり具合の佳い形に加え、絵が何ともほんわかしております。晴天を仰ぎつつゆったりと漕ぎ進むボートの様。懐かしいカートゥーンの一幕の様です。裏にサインはあるのですが、「作人知らず」。いつかわかるかもしれませんが…


2015年11月25日水曜日

Pick Up Anonymous #2



 

「名も無いひと品」 第2回は「a Smoking Man」。チーク製のフィギュアです。

カイ・ボイスンやハンス・ボーリンの作品でお馴染み、デンマークの木製フィギュアは北欧プロダクト・デザインのアイコンのひとつ。渡航の際には必ず探します。
人形であるせいか…うらぶれたアンティークショップや倉庫の片隅で鎮座しているのを見かけると、ついつい声をかけてしまいます。そんな中でこのおじさん?の人形はイナセな感じが何とも言えず。


お嬢フィギュアと並べてみる。何か一幕、ストーリーが醸し出されるような。


こういった画がよく似合います(^-^;)

2015年11月24日火曜日

Pick Up Anonymous #1


「全てのものに、名前や産まれた場所がある。ただ、それらが"知られるかどうか"だけ」
デンマークの友人の何気ないひと言を、ふと思い返す毎日。佳くできたもの~デザインは、それが佳いほどに、経年の中で多数において評価され、元の名を知らしめ、銘を受ける。では、そうならなかったものは果たして佳くないものだったのかというと、そういうわけではありません。
というわけで、「素性がわからないけど佳いもの」をブログでぼつぼつと紹介していきたいと思います。ほとんど個人的な好みの列挙となる可能性もありますが…(^-^;)
第1回目。こちらは「Bowl in Holstein」とでも呼べばいいでしょうか。デンマークの田舎で見つけたこの器。ウシのお乳を脚に見立てた、直径14cm程の中鉢です。
思いつきがちと言えばそれまでですが・・・ この、研ぎ澄まされない未満というか、とりあえず着想を具現化してしまったことだけでも、そこを想うと愛らしいと言いますか。人懐っこいもの、というのがしっくりくるかもしれません。
「モォー」

2015年11月15日日曜日

Berndt Friberg GUSTAVSBERG


グスタフスベリ窯 ベルント・フリーベリ Berndt Fribergの紹介ページを作りました。

http://81-s.com/?tid=2&mode=f12
※会員ページ紹介

「神の手」「陶器の宝石」―
最高の称賛を欲しいままに、今なお北欧のみならず、世界の陶芸の指標として在り続ける彼の、神秘的な作陶の数々。 メトロポリタンをはじめ、名だたる美術館に所蔵される圧倒的な品格。世界でただひとつの作陶をご覧いただけます。

2015年11月12日木曜日

「秋のスペシャル・ディスカウント」


スポット入荷(たまたま大量に安価で見つかったものを特価還元したもの)品を限定数で紹介しております。コンディションは当店の正規販売品と全く同じクオリティです。

クイストゴーから、PaletのピュアホワイトとAzur
スウェーデン・ロールストランドから、Brigitta
同じくホガナスからM-L Hellgrenのシリーズ
そして締めは、秋らしくARABIAのRuskaを。


定番人気から、普段使いにもってこいな合わせやすいアイテムばかりです。
無くなり次第終了です。この機会に北欧名品に触れてみたい方、ヴィンテージにチャレンジしてみたい方、追加を考えていらっしゃる方。ご活用いただければ幸いです。

2015年11月5日木曜日

Nordic Metalware


ホーロー、ステンレスなどのキッチンウェアを更新いたしました。
すっかり北欧アイコンとして国内ではおなじみになったノルウェーのキャスリンホルムをはじめ、DKF、RAADVADなどステンレスの名品が揃うデンマーク、やわらかな色使いとフォルムが特徴的なスウェーデン、コックムスなど。どれも長年愛され続けているのもうなづける、デザイン性の高さと機能性を兼ね備えたものばかり。

IKEAなどによる北欧ライフスタイルの広報も功を成したおかげで「キッチントゥテーブル」とでもいうべき概念が日本でもずいぶんと浸透してまいりました。調理場と食卓の垣根を外す取り回しの良さ。転じてカップボードへしまい込まず、飾り映えもする"見せる楽しさ"。美しい道具はまた、合理的でフレキシブルであるという事実を、北欧の製品は私たちにより良く体感させてくれます。

>> ホーロー製品一覧
>> その他金属製品一覧
>> カトラリー製品一覧

2015年11月1日日曜日

1år jubilæum


11/1、姫路本店の新築開店より、ちょうど1年を迎えました。
クリスマス・フィギュアに自家製リボンを添えつつ、「1år jubilæum」 - 1周年記念をデンマーク語で書いてみました。

ご愛顧いただいている皆さま、まことにありがとうございます。
2年目も、素敵なものたちとの出会いを願いつつ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。